お店のロゴを作りたい。でもデザイナーに頼む予算はないし、AIに頼むと、どこかで見たような絵になってしまう――
そんな方に向けて、ハンドメイドのお店「ワンティル」のロゴとアイコンを、GeminiとAdobe Expressの無料版の2つで実際に作って比べた手順をまとめます。
先に結論です。AIで作るロゴに個性を出すいちばんの近道は、ツール選びではなく「お店の名前の由来」を先に言葉にして、AIに渡すことでした。
なぜAIのロゴは「どこかで見た絵」になるのか
「ハンドメイドのお店」「トイプードル」「刺繍」のような、お店の中身だけを伝えると、AIはそれらしい部品を組み合わせた、平均的なデザインを返してきます。実際に最初に頼んだロゴがこれです。

きれいにまとまってはいますが、どの犬のお店にも当てはまりそうです。足りないのは、このお店にしかない話でした。
手順1:お店の名前の由来を言葉にする
ワンティルの名前は、次の組み合わせです。
- ワン(わんこ)+ティ(ワンティルのキャラクター「ティーたん」・トイプードル)+ル(同じく「ルータン」・トイプードル)
- さらにカリブ海のアンティル諸島にかけている
- アンティル諸島の名前は、中世ヨーロッパの地図に描かれた空想の島「アンティリア」に由来する=架空の島
過去の資料をまとめたNotebookLMに聞いても、名前の由来は出てこず、出てきたのはキャラクターの名前だけでした。そこで由来は、名付けた自分の言葉で書き直しました。資料にないことをAIに推測させないのが大事なところです。
手順2:Geminiに作ってもらう
由来を伝えて、もう一度頼みます。Geminiの良いところは、会話で少しずつ直せることです。

指示がそのまま守られるとは限りません。「犬3匹」と頼んだのに2匹で出てきました。「3匹に直して」と送った回は画像が出ないまま止まったので、由来(古い地図の伝説の島)も足して頼み直したところ、3匹で出ました。

途中で、別の会話でGeminiに作ってもらった「島の上のお店と3匹」の絵(NotebookLMにまとめたお店の資料を参考にしたもの)を添付し、島の上はそのまま生かして、背景を「宇宙(ネットの世界)」に変えてもらいました。架空の島がネットの中に浮かんでいる、というお店の話がそのまま絵になっています。※この完成アイコンは添付した絵が土台です。Adobe Expressには画像を添付せず、同じテーマを文字だけで伝えています。

Geminiで止まったときのコツ
- 今回の会話では(会話が長くなっていたとき)、長い指示を一度に送ると、「テキストベースのAIなので手伝えない」と断られたり、返事が空になったりした
- 冒頭に「画像を生成してください」と書き、変える所だけを短く伝えると、1回で出た
- 会話が長くなったら、新しいチャットで、前の画像を添付して続きを頼む
※筆者はGeminiの有料プラン(Plus・モデル表示はFlash)で試しました。挙動は時期やプランで変わる可能性があります。
手順3:Adobe Expressの無料版で作る
同じ内容を、Adobe Expressの「画像を生成」(Firefly)でも作りました。新規作成で「ロゴ」を選び、左の「コンテンツを追加」→「生成AI」→「画像を生成」から使えます。画面には「本日分の無料生成」と表示され、無料版の範囲で作れました。無料で使える回数や条件は変わることがあるので、使う前に画面や公式の案内で確認してください。

1回で4案が出て、世界観や色は最初からそろいました。一方で、犬の数が4匹になったり、看板の文字が崩れたりして、細かい指定は守られにくい印象です。4案のうち、3匹がそろった4案目を選びました(看板の文字はデザイン文字風に崩れ、わんこはプードル風)。書き出しはロゴの用紙サイズのまま500×500pxでした。

文字のロゴは「テキスト効果」が便利
文字が主役のロゴなら、Expressの「テキスト効果」が便利です。入力した文字そのものに質感をつけるので、文字が崩れません。画面には「テキスト効果では、生成クレジットは使用されません」と表示されていました。

ただし、「ネイビーの糸で」と指定しても最初はベージュの布になり、4種類の中から選び直しました。また、背景のワッペンや犬の絵はテキスト効果では作れず、図形や画像を自分で組み合わせる必要があります。今回は図形の追加がうまくいかず、Expressの文字ロゴは途中で止めました。
比べてみた結果
| Gemini | Adobe Express(無料版) | |
|---|---|---|
| 1回で出る数 | 1枚 | 4枚 |
| 細かい指定(数・見た目) | 会話で直せる | 守られにくい |
| 文字の正確さ | 崩れなかった | 画像生成では崩れることあり/テキスト効果は確実 |
| 向いている使い方 | 由来や物語を絵にする | 案をたくさん見る・文字を確実に入れる |
| 書き出しサイズ(今回) | 2048×2048px | 500×500px |
| 料金(今回) | 有料プラン(Plus) | 無料版 |
手順4:アイコンとロゴを分けて仕上げる
最後に、役割を分けました。
- アイコン=SNSやサイトの小さな丸に入る「絵」。物語(由来)を絵にしたもの
- ロゴ=お店の名前を伝える「文字が主役」のもの
ロゴは最初、「お店の前に3匹と看板」の絵で作りましたが、イマイチでした。そこで文字を主役に切り替え、ミシン刺繍のお店らしく「刺繍のワッペン」にしました。Geminiに「文字が主役」「ミシン刺繍の糸の質感」「布のワッペン」と伝えて作った完成形です。

なお、AIで作ったロゴを商標として登録・使用する場合は、使ったサービスの利用規約を必ず確認してください。
よくある質問
Q. Geminiでロゴは無料で作れますか?
筆者は有料プラン(Plus)で試したため、無料版で同じように作れるか、何回まで作れるかは確かめていません。画像の生成は、プランや時期で使える範囲が変わることがあるので、Geminiの画面や公式の案内で確認してください。
Q. Adobe Expressの無料版でロゴは作れますか?
作れました。新規作成で「ロゴ」を選び、「生成AI」→「画像を生成」から作ると、1回で4案が出ます。画面には「本日分の無料生成」と表示され、無料版の範囲で作れました。書き出しは、ロゴの用紙サイズのまま500×500pxでした。
Q. AIで作ったロゴの文字が崩れるときは?
画像として文字を描かせると、崩れることがあります。今回は、Geminiでは「看板の文字ははっきり読めるように」と書き添え、Adobe Expressでは、入力した文字に質感をつける「テキスト効果」を使うと、文字が崩れませんでした。
Q. アイコンとロゴは同じものでいいですか?
今回は分けました。SNSの小さな丸に入るアイコンは「絵」で物語を伝え、お店の名前を伝えるロゴは「文字が主役」にしています。小さく表示されるアイコンに文字を詰め込むと、読めなくなるためです。
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まとめ
- AIのロゴに個性を出すには、お店の名前の由来を先に言葉にして渡す
- 由来は推測で作らず、本人や資料で確かめる
- Geminiは会話で少しずつ直せる。止まったら「画像を生成して」+短い指示で
- Adobe Expressの無料版は、1回で4案。文字はテキスト効果で確実に
- アイコン(絵)とロゴ(文字)は役割を分けて作る
まずは、あなたのお店の名前に込めた意味を、3行で書き出すところから始めてみてください。
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