せっかく作り込んだデザインのHTMLを、WordPressの投稿画面に貼って「更新」を押したら――「403 Forbidden」で保存できない。あるいは保存はできたのに、公開ページを見るとレイアウトがぐちゃぐちゃに崩れている。HP制作を自分で進めていると、かなりの確率でぶつかる壁です。
結論から言うと、その多くはセキュリティプラグイン(WAF)の「誤検知」が原因です。あなたのHTMLが悪いのではなく、正しいデザインコードを、WAFが「攻撃」と勘違いしてブロックしているだけ。今回は、実際にこの壁を突破したときの手順を、そのままガイドにします。

なぜ「正しいHTML」がブロックされるのか
WAF(ワフ)は、フォームやエディタから送られてくる文字列を見て、SQLインジェクションやXSSといった攻撃のパターンに似ていないかをチェックする仕組みです。問題は、デザイン用のCSSやHTMLの中に、たまたま攻撃コードと同じ文字の並びが含まれてしまうこと。すると本文が攻撃と誤判定され、保存そのものが弾かれます。
なお、WordPress用のWAFとしては「SiteGuard(サイトガード)」系がよく使われます(レンタルサーバーによっては標準で有効化されている場合があります。導入状況はご利用のサーバー公式情報でご確認ください)。以下は、そのWAF環境で実際に弾かれた・崩れた原因と、その直し方です。
まず切り分け:本当にWAFが原因か確認する
直す前に、原因がWAFかどうかを切り分けます。手順はシンプルです。
- まず、ごく短いテキストだけの段落を1つ保存してみる。これが通れば、投稿機能そのものは正常です。
- 次に、デザインHTMLを半分ずつに分けて保存し、どちらでブロックされるかを見る(いわゆる二分探索)。弾かれた側に「原因の文字列」が入っています。
- 保存自体は通るのに公開ページで崩れる場合は、WAFではなく後述の「自動整形(wpautop)」が原因の可能性が高いです。
誤検知を起こしやすい7つのパターンと直し方
実測でブロックの引き金になっていたのは、次の7つでした。いずれも「正しいコードなのに攻撃に見えてしまう」ものです。1つずつ、置き換え方とセットで挙げます。
① 外部読み込みの link 要素(スタイルシート)
先頭でフォントやCSSを外部から読み込む link 要素が弾かれることがあります。読み込みを外し、システム標準フォントにフォールバックするだけで通ります。見た目は少し変わりますが、崩れて公開できないよりは確実です。
② CSS変数(ダブルハイフン)
CSS変数の頭に付くダブルハイフンが、SQLのコメント記号と誤判定されます。変数をやめて、色やサイズを実際の値に展開して書けば回避できます。
③ select という単語
テキスト選択を制御するプロパティなどに含まれる select の並びが、SQLのSELECTと見なされることがあります。その指定自体を外すか、別の書き方に変えます。
④ 均等配置の指定(BETWEEN)
要素を両端揃えにするFlexboxの指定が、SQLのBETWEENに引っかかります。両端揃えを「均等割り付け」系の別指定に変更すると、見た目をほぼ保ったまま通せます。
⑤ backdrop(DROP)
背景をぼかす装飾に使う backdrop の中の並びが、SQLのDROPと誤判定されます。その装飾を外すのが最短です。ぼかしは無くても本体のデザインは成立します。
⑥ HTMLコメント
コメントアウトの記号も、SQLのコメントと同じ形なので弾かれることがあります。不要なコメントは公開前に削除しておきましょう。
⑦ @import と直後のCSSの組み合わせ
CSSを取り込む @import と、その直後に続くコードの組み合わせでブロックされることがあります。①と同じく外部読み込みをやめて、必要なスタイルを直接書く方向で解決します。
保存は通ったのにデザインが崩れるとき(自動整形対策)
WAFを通過しても、公開ページで余白がおかしくなる・スタイルが効かない場合は、WordPressの自動整形機能(wpautop)が改行を勝手に段落に変換し、CSSを壊しているケースがあります。対策はスタイル指定と本文を、改行を含まない1行にまとめて貼ること。これで自動整形に割り込まれず、意図した見た目を保てます。
直すときの順番(ステップまとめ)
- 短いテキストで保存が通るか確認(投稿機能の正常性チェック)。
- 二分探索で、弾かれるブロックを特定する。
- 上の7パターンに当てはめ、外部読み込み・CSS変数・select・両端揃え・backdrop・コメントを順に置き換える。
- 保存が通ったら、公開ページで表示を確認。崩れていれば1行化で自動整形対策。
- 最後に、装飾を削った箇所の見た目を微調整して仕上げる。
大事な注意:WAFは「切らずに」直す
ここで強調したいのは、これは「自分のサイトの正しいデザインが、誤って攻撃と判定されるのを直す」話だということ。面倒だからとWAF(セキュリティ)そのものをオフにするのは、家の鍵を外して出かけるようなものです。WAFは有効なまま、誤検知される書き方の方を安全側に直す――これが、公開後も安心して運用するための正しい向き合い方です。
まとめ
「デザインが保存できない・崩れる」は、あなたの腕のせいではなく、WAFの誤検知が原因のことがほとんどです。外部読み込み・CSS変数・select・両端揃え・backdrop・コメント――この6〜7点を安全な書き方に置き換え、必要なら1行化で自動整形を回避する。順番に切り分ければ、セキュリティを保ったまま、狙いどおりのデザインを公開できます。まずは「短いテキストが保存できるか」から始めてみてください。
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